霧の渚に現れた津波の亡妻
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どんな伝承か
土淵村の助役北川清の弟に福二という人がおり、海岸の田の浜へ婿に行ったが、先年の大海嘯で妻と子を失い、生き残った二人の子と元の屋敷の跡に小屋を掛けて暮らしていた。夏の初めの月夜、便所に起き出ると、霧の中から男女二人が近寄る。女は正しく亡くなった妻であった。思わず後をつけ、船越村の方へ行く崎の洞のある所まで追って名を呼ぶと、振り返ってにこっと笑った。男は同じ里で海嘯に死んだ者で、以前妻と心を通わせていたという。今はこの人と夫婦になっていると言うので、子供は可愛くないのかと問うと、女は顔色を変えて泣いた。二人は星ヶ浦へ行く道の山陰を回って見えなくなった。福二はその後久しく煩ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。
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山田町の伝承
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