鉦の音が絶えて往生した女の塚
どんな伝承か
昔、村はずれの一軒家に、チャンカネさんという一人暮らしの女が住んでいた。毎日鉦を打ち鳴らして暮らし、十七年ものあいだ一日も欠かさず鉦を打って信心を続けたという。ある時、鉦の音がしなくなったら死んだものと思ってほしいと村人に言い残した。ある日ぱたりと音がやんだので村人が訪ねると、言葉どおり安らかに往生していた。今もお寺の山に小さな石塔が残っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第1巻 3 (東信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第1巻(三)東信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち東信地方の伝説と世間話を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌などの伝えを、条ごとに採集地を添えて収める。双子池や白駒の池の主、望月の駒、甲賀三郎、ごまを作らない村々の禁忌、京の岩・宮下・菱野村の七不思議など、佐久・小県の土地の伝えが並ぶ。