盆踊りの輪に現れた亡き娘
どんな伝承か
お山へ行けば死んだ人に会えると聞き、娘を亡くした老夫婦がはるばる仙台から恐山へやってきた。ちょうど盆踊りが始まっていた。恐山大祭の盆踊りには死者も出てきて踊ると言われ、二人は外で踊りを眺めていた。すると輪の向こう側で、娘が死んだときに着せてやった着物姿で踊っているのが見えた。懐かしさのあまり名を呼んで駆け寄ると、娘は鬼が来たと叫んで山へ逃げてしまった。老夫婦はもう一度会いたいと夜通し探し回ったが、二度と娘の姿を見ることはできなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。