小町の産湯の井戸と足跡の石
どんな伝承か
菅谷の沼ノ沢にある一軒の家は「おぼみだいら(生水平)」と呼ばれ、小野小町が生まれた家だと伝えられている。そこの井戸はオボシミズといい、小町が生まれたときの産湯に使ったとも、小町が飲んだ水ともいわれる。同じ菅谷の畑中の家にも鏡井戸という井戸があり、小町が水面に顔を映して髪をとかしたという。澄んでよく冷えた水がわき、どれほど日照りが続いても涸れないそうだ。沼ノ沢の家の裏手には小町の足跡が刻まれた石もあり、六歳ほどの小町が転んで足をついたときの跡と語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滝根町史 第3巻 (民俗編)
『滝根町史 第3巻(民俗編)』の口承文芸の節から伝説を抜き出したものである。福島県田村市滝根町(菅谷・神俣・広瀬)の大滝根山の田村麿と大滝丸、入水寺の観音、小野小町の伝え、鶴ヶ池物語、人柱茂左衛門、曽富登神社、六句の坊、片手観音、三本足の鳥、姥捨山などを収める。古い村誌の文語の引用と聞き書きの口語が混じる。