緑風荘の曲がり家に出る座敷わらし
どんな伝承か
二戸市金田一の旅館緑風荘には座敷わらしが出る。この地方の大地主だった五日市栄一が屋敷内に湧く温泉を開放して始めた宿で、新館の奥に三百年の歴史をもつ茅葺きの南部曲がり家が大広間として残る。その薄暗い奥の一室に座敷わらしが現れるという。著者は恐山の取材の帰りに緑風荘を訪ね、広間に敷いた布団で待った。午前二時前、生木を裂くようなラップ音がして目覚めると、絣の着物姿のわらしが姿を見せた。身体は金縛りとなって動かず、わらしは枕元から脇を通り抜け、二度目のラップ音とともに消えた。隣室のカメラマンも同じく金縛りでシャッターを切れなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。