裸で四十分続いた狐落としと老母の死
どんな伝承か
秋田県由利郡の烏海(鳥海)村は、国鉄矢島線の終点からさらにバスで一時間あまり奥に入った山村で、稲荷を祀る山岳信仰が根深く、当時三人の祈禱師がいた。狐憑きの家は近寄るなとされて村八分にされ、憑きものを落とすために一室に閉じ込め煙でいぶり殺した例も数多くあったという。心臓病と高血圧で寝たきりの老母に狐が憑いたと思い込んだ家族五人は、雨の中で老母を裸にし、自分たちも裸になって、オオカミだぞ、キツネよ出て行け、と叫びながら四十分近く殴る蹴る噛むを続けた。村人は総出で見ていたが誰も止めず、老母は搬送中に息絶えた。
原典より
山形県出羽三山のミイラ 米沢盆地の「雪迎え」宮城県独眼竜政宗の限あき像福島県滝夜叉姫の怨霊 近藤勇の謎の墓東京都番町皿屋敷 平将門の首塚逆さ銀杏になった親鸞の杖花嫁にたたる下男の亡霊子供を喰らう脱衣姿—— 心霊大全(中岡俊哉・1970年代~1980年代) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・1970年代~1980年代)
奇怪なお菊人形(心霊大全)/心霊写真と自殺者の霊/北海道の怪奇現象/憑依と祟り/中岡俊哉の心霊蒐集