天城峠で消え続ける慧生の比翼塚
どんな伝承か
伊豆の天城峠の登山口から三十分ほど登った所は、昭和三十二年十二月、旧満州国皇帝の血を引く愛新覚羅慧生が、学習院在学中の恋人大久保武道とピストルで心中した場所である。遺体を見つけた湯ヶ島のユースホステル経営者樋口治雄さんは、二人の供養にと友人の江頭さんと檜の角材で比翼塚を建て、知り合いの僧の中島さんに経をあげてもらった。すると雲ひとつない空からどしゃ降りの雨になり、峠を下りると晴れた。通りかかった女性ハイカーに頼まれて案内すると、建てたばかりの塚が消えていた。一時間探しても見つからず、その後何度建てても塚は消えたという。樋口さんは、二人の霊が供養を拒んでいるのかもしれないと語る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。