境内を夜回りした人形万勢伊さま
どんな伝承か
上京区寺の内堀川入ルにある宝鏡寺は、皇女が開いた尼寺で、「人形寺」の名で知られる。境内に入ると数えきれないほどの人形が並び、見つめていると何か語りかけてくるような妖しい気配が漂うという。門跡によれば、人形の髪をなでて涙ながらに別れを惜しむ婦人や、亡き娘の形見の人形が夜ごと泣いている気がするので供養してほしいと頼む人が訪れる。なかでも驚かされるのが、後西天皇の皇女本覚院がかわいがった「万勢伊さま」という人形で、魂が宿っていて毎晩寺の境内を見回って歩いたと伝えられている。秘蔵の人形は春と秋の人形展でしか公開されない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。