妊婦の亡霊が浮かぶまな板石
どんな伝承か
松山城は加藤嘉明が十二年がかりで築いた名城で、一六二七年に嘉明が会津へ移ると、蒲生忠知が跡を継いだ。忠知には跡継ぎがなく、子がなければ家は断絶を免れないため焦りを募らせたが、世継ぎが生まれる兆しは一向になかった。その焦りはいつしか城下の妊婦への憎しみに変わり、忠知は妊婦を捕らえては庭先の石に据え、腹を裂いて胎児を引き出すという惨劇を重ねたという。その石は「まな板石」と呼ばれ、女の泣き声を聞いたとか、血まみれの妊婦の亡霊が浮かんだとかいう怪談が絶えず、夜ごとすすり泣きが聞こえたことから夜泣き石とも呼ばれた。石はかつて二の丸跡にあり、今は資料館の入口に置かれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。