血の気を失い痩せ細る良助と勇
どんな伝承か
行者が旅立ったあとも、良助は自分の部屋からめったに出なくなった。勇も同じで、二人とも仕事も勉強もせず、まるで生き血を何者かに吸い取られたように血の気を失い、痩せ細っていった。やがて終戦を迎え、学徒動員に出ていた長男の明が戻ってきたが、二人は相変わらず亡霊のような様子で部屋に閉じこもったままだった。良助は食欲だけは衰えず、かえって以前よりよく食べ、肉や魚を好んだ。それなのに血色が悪く生気がないのが本当に不思議だったと、源兵は語っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
恐怖の事実と悪霊を除く法-本間家の話(中岡俊哉・1976年(昭和51年))
『恐怖の事実と悪霊を除く法-本間家の話』は、中岡俊哉が一九七六年に著した『悪霊があなたを狙う』(双葉社)のうち、まえがきと目次、第一話「“幽霊屋敷”悪霊のたたり」を収めたものである。千葉県館山市上野原の網元本間家で、娘の神隠しを発端に一家が絶えるまでの出来事を、元下男の源兵じいさんが著者に語った聞き書きの形で記す。目次によれば原本は悪霊憑依の実話十一話を二部に分け、終わりに霊魂の存否と悪霊対策を論じる章を置く。