血の気を失い痩せ細る良助と勇
どんな伝承か
行者が旅立ったあとも、良助は自分の部屋からめったに出なくなった。勇も同じで、二人とも仕事も勉強もせず、まるで生き血を何者かに吸い取られたように血の気を失い、痩せ細っていった。やがて終戦を迎え、学徒動員に出ていた長男の明が戻ってきたが、二人は相変わらず亡霊のような様子で部屋に閉じこもったままだった。良助は食欲だけは衰えず、かえって以前よりよく食べ、肉や魚を好んだ。それなのに血色が悪く生気がないのが本当に不思議だったと、源兵は語っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
恐怖の事実と悪霊を除く法-本間家の話(中岡俊哉・昭和30~40年代(推定))
本書は千葉県館山市の本間家を舞台にした実例的怪談である。明治時代に栄えた網元・本間家は、大正~昭和初期に長女ふでが神かくしで失踪したことを皮切りに、呪いに見舞われる。昭和19年から本格化した悪霊の祟りにより、家族は原因不明の奇病、憑依、夢遊病、発狂、自殺・他殺による死亡が連続する。行者の指摘により、床下に隠された血で描かれた100年以上前の自画像が呪いの根源であることが判明するも、お祓いは手遅れ。