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沖から千松公園の墓地へ帰った灯

所在地高知県高知市種崎(千松公園)
登場永野憲正、体験者・本山保健所長
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

城東中学校四年生のとき、連合演習が種崎で行われた。私は千松公園の東海岸で小休止中の部隊から離れ、一人砂浜に大の字になって星を眺めていた。気づくと部隊はいない。立ち上がると、はるか沖から赤とも黄とも青とも見える灯が、波のうねりとともに上下しながら岸へ近づいて来た。舟も人も見えず、灯だけがゆうゆうと千松公園の墓地に吸い込まれ、ばったりと地上に消えた。全身が硬直し、動けるようになってから小銃に着剣して墓地へ近づくと、松風と波の音、静かに並ぶ墓標があるだけだった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

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