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空家の奥座敷で経を読む声

所在地岩手県遠野市土淵町山口
年代約10年前(遠野物語当時)
登場柳田國男、内川口某家、採録者
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

遠野の土淵村山口に、内川口某という家があった。語られた時点から十年ほど前に没落し、しばらく人の住まぬ空家のままになっていた。すると夜更けになると奥の座敷にぼんやりと明かりが灯り、誰のものとも知れぬ低い声が経を唱えるのが聞こえてきたという。街道のすぐそばに建つ家なので、若い者たちが「また始まったか」と面白半分に立ち寄ってみるのだが、そのころには読経も灯も跡形なく消えている。同じことは、栃内の和野で菊池某の家が絶えたときにも起きたと伝えられる。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

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