時刻に間に合わなかった乾板の霊写
どんな伝承か
麹町区永田町に霊写に熱心な一研究家がおり、大正六年七月一日、その霊写によって自家の因縁を調べてほしいと乞うてきた。氏は当日までにどこの材料店でもよいから八切一打を買い求め、午後一時にその乾板を所持しているようにと言い添え、既定の時刻に遠隔霊写を試みた。ところが三時間ほどして同家から、小西本店に配達を頼んだが小僧が多忙で一時に間に合わず、たった今届いたと電話があった。時刻に間に合わなかった乾板を現像すると、意外にも同家に祭る物体に関係した完全な霊写ができていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心靈寫眞の研究(大和田徳義・1920年(大正9年))
『心靈寫眞の研究』は、大和田徳義が大正九年に著した心霊写真の研究書である。英国の心霊現象研究会以来の肯定説と否定説、マムラーやホドソンら諸外国の心霊写真の歴史をたどったうえで、東京の心霊写真家日光氏が始めた「霊写」の種類と実験例、福来友吉と長尾郁子による念写の実験とその批判を述べる。自序と全八章、「結び」からなり、霊写を物理・化学・心霊の三つの特性から論じ、念写とは能力や美術・宗教上の価値が異なると説く。