友の背に見えた黒い影
どんな伝承か
卒業を控えたある日、優子さんは県外の高校に通うことが決まっていた典子さんと校門の前で別れた。典子さんは急に不安そうな顔になり「私たち、ずっと友達だよね」「急にもう会えないかもしれないと思って」と言った。呼び止めようとした優子さんの目には、典子さんの身体全体に黒い影がまとわりつき、背中から腰にかけて人とも鬼ともつかぬ奇妙な生き物がしがみついているように見えた。目をこすると、いつもの背中に戻っていた。その日の午後、震災と津波が町を襲い、典子さんは行方不明のまま今も見つかっていない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
震災後の不思議な話-三陸の怪談(宇田川敬介・2011年以降(東日本大震災関連))
震災後の不思議な話(三陸の怪談)/津波の死者の霊・幽霊/地震の予兆(井戸の水)/タクシーに乗る幽霊/震災の鎮魂と怪異