花嫁も仲人も消えた二度目の祝言
どんな伝承か
沼倉の佐藤某の話も、部落ではよく知られている。桧沢を開墾していたころ、佐藤は妻を亡くして独りで働いていたが、ある夕方に仲人がやって来て嫁を世話しようと言い、数日のうちに縁談がまとまった。二度目の嫁取りなので、招くのはごく近い身内だけにして、佐藤は三里も離れた町まで出かけて酒や肴をそろえ、祝いの宴を開いた。ところが花婿たちがすっかり酔ってうたた寝をしているあいだに、花嫁も仲人も、ごちそうもろとも消えてしまったという。
原典より
ところが花婿たちがひどく酔って仮睡した間に、花嫁も仲人もそれに御馳走もみんな消え失せてしまった。—— 宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ)
『宮城県史 民俗編』は宮城県の県史の民俗編で、ここに収めるのは茂木徳郎が執筆した章「妖怪 幽霊」である。山・道・木・水・海・雪・家など出現の場所による分類に沿って妖怪変化を論じ、幽霊とヒトダマ・死霊・生霊の観念を考えたうえで、県内の妖怪・幽霊・動物変化の伝承を郡・町村名を添えて集める。序説・本論・事例篇・参考の順に並び、序説では昭和二十四年の迷信調査と昭和三十年のNHK仙台中央放送局の調査にも触れる。