腕と引きかえの河童の接骨薬
どんな伝承か
旧仙台領江刺郡の北上川畔、二子町の城下に小田島大炊之助という侍が住んでいた。夜、厠に女中が入ると怪物が出て悪戯をするというので、家中がひどく当惑していた。主人が脇差を持って入っても何も起こらないため、女装して短刀を忍ばせて入りかがんでいると、やがて冷たくこわばったものが触れてきた。それを捉えて短刀で斬り離すと、水掻きのある痩せた腕であった。三日目の夜、化生の者が枕上に現れ、この河の鎧が渕に棲む河童だと名乗って腕を返してほしいと願う。大炊之助が秘伝の薬と引きかえならばと言うと、河童は妙薬で腕を継ぎ合わせてみせ、その処方を伝授して帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(宮城県史シリーズ・昭和中期(推定1960-1970年代))
宮城の民間信仰と禁忌(宮城県史民俗編)/禁忌を破る祟りと火玉/河童・狐狸の怪/年中行事と俗信/地域の幽霊・妖怪伝承