金銀の眼を持つ怪猫と怪犬
どんな伝承か
金と銀の眼を持つ怪猫が高崎市で発見され、大評判となった。その猫は高崎市北通町の佐竹某方で飼っている「三毛」という三毛の牡猫で、まだ生後五か月ばかりの子猫であったが、両眼が金と銀の二色でキラキラと輝き、暗闇ではその眼の色がまるで炎のように見えるので、家人も不思議がっていた。こういう猫は見たことがないというので町中の評判となり、見物人が押しかけて家人も困っていたという。これとよく似た怪犬の話がそれ以前にもあり、千葉県市川町の料理屋栃木屋に飼われていたポチ(二歳)の眼は左が金色、右が銀色に燦然たる光を放ち、夜になるとその色が赤と青の二色に変わって美しかったという。
原典より
金と銀の眼を持っている昭和の怪猫が、高崎市で発見され、大評判となった。—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。