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鸚鵡石(おうむいし)の反響怪異

所在地三重県志摩市磯部町恵利原(鸚鵡石)
年代不明(『輶軒小録』『提醒紀談』『笈埃随筆』所載)
登場各随筆の著者
出典怪異考 - 化物の進化

どんな伝承か

伊勢の鸚鵡石は、山腹にむき出しになった滑らかな岩盤が声や物音を跳ね返す不思議として、『輶軒小録』『提醒紀談』『笈埃随筆』などに記事が見える。面白いのは、笛の音がよく返ってこないと書く本もあれば、鉦や太鼓、鈴の音が響かないと書く本もあることだ。『笈埃随筆』には、ここは神の跡なので仏具を嫌い、鉦や鈴は返らないのだという説に対し、それなら念仏や題目も返らないはずなのに返るではないかと言い返す問答が載り、最後は五行説を持ち出してこじつけている。寺田寅彦は、高い音ほど反響が弱まるという音の性質とこの記事が符合すると見た。

原典より

しかしこれらの記録中で面白いと思わるるのは、ある書では笛の音がよく反響しないとあり、他書には鉦鼓鈴のごときものがよく響かないとある事である。—— 怪異考 - 化物の進化(寺田寅彦) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

怪異考 - 化物の進化(寺田寅彦)

『怪異考 - 化物の進化』は、物理学者寺田寅彦が大正九年から昭和十二年にかけて雑誌・新聞に書いた随筆と談話を集めた本である。土佐の「孕のジャン」や濃尾のギバを地鳴りや空中放電で説く「怪異考」、昔の人が化物を自然現象の説明に用いたことを論じる「化物の進化」のほか、人魂、狸の腹鼓、厄年、夢判断などを科学者の目で語る。各篇の末尾に初出の年月と掲載誌名を記すが、「狸の腹鼓」だけは「単行本未収録」とのみ記す。

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