太霊道支部の透視実験と碁石の患部図
どんな伝承か
大正七年、著者は仙台の太霊道の支部で、その有名な透視能力者の実験を見せてもらった。この人物は、部屋でも壁でも人体でも花瓶でもすべてが透き通って見え、時には自分が空々漠々の中にいるように感じると公言していた。能力者は著者の身体を透視し、腹のところに曇りが見えます、胃病をおやりになったことがあるでしょうと言った。太霊道の雑誌に載る透視図も、内臓の患部を精密に描いたものではなく碁石を並べたような黒点の集まりにすぎない。著者はこれを、能力者自身の暗示と無学な想像が生んだ軽い幻覚まがいのものと見た。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊現象の科学(小熊虎之助・1974年(昭和49年))
『心霊現象の科学』は、小熊虎之助が心霊現象を科学の立場から論じた研究書で、序とあとがきに昭和四十九年四月の日付がある。コックリ・自働書記・読心術・憑きものなどの偽心霊現象と、精神感応・幽霊・交霊などの真実の心霊現象とを分けて検討し、福来友吉による三船千鶴子・長尾夫人・高橋夫人・三田光一の透視・念写の実験も取り上げる。全五章に参考書目を付し、あとがきでは井上円了以来の日本の心霊現象研究史を概説する。