東京大学に開かれた不思議研究会
どんな伝承か
日本で最初に「妖怪学」の名のもとに不思議現象を体系立てて研究し、その成果を世に問うたのは、のちの東洋大学の前身である哲学館を創設した井上円了であった。井上が研究に着手したのは明治十七年である。続いて東京大学内に「不思議研究会」を設け、賛同して加わったのは三宅雄二郎、田中館愛橘、坪井正五郎、坪内雄蔵ほか七名の学識者であった。第一回の会合は明治十九年一月二十四日、大学の講義室で開かれたと、『妖怪学講義』増補版の緒言に記されている。ちなみに同じ性質の心霊現象研究会がロンドンに創立されたのは一八八二年、明治十五年にあたる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊現象の科学(小熊虎之助・1974年(昭和49年))
『心霊現象の科学』は、小熊虎之助が心霊現象を科学の立場から論じた研究書で、序とあとがきに昭和四十九年四月の日付がある。コックリ・自働書記・読心術・憑きものなどの偽心霊現象と、精神感応・幽霊・交霊などの真実の心霊現象とを分けて検討し、福来友吉による三船千鶴子・長尾夫人・高橋夫人・三田光一の透視・念写の実験も取り上げる。全五章に参考書目を付し、あとがきでは井上円了以来の日本の心霊現象研究史を概説する。