身請けを止めた老婆と殺された商人
どんな伝承か
南部盛岡城下の井筒屋藤兵衛は、商用で訪れた塩釜の遊女屋で小花という遊女と契り、身請けを望んだ。金を取りに盛岡へ戻り、再び塩釜へ向かう途中、一ノ関で大雨に遭う。旅籠の二階から、雨に濡れたまま断られている老婆を見た藤兵衛は、番頭に小銭を握らせて呼び入れ、風呂に入れてやった。翌朝、老婆は先に発っており、道中で振り返って、小花は性悪だから身請けはよせと告げた。藤兵衛は聞かず、身請金を持って遊女屋へ行き、その夜殺されて死骸を海に棄てられた。老婆が死骸を引き上げ、奉行所に訴え出たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承