●ドッペル・ゲンゲル・・・・・
どんな伝承か
平野威馬雄が経験した三度のドッペルゲンゲル体験の第一回。大正五、六年、中学三年ごろのこと。一家の別荘が葉山の堀内にあり、毎夏二か月をそこで過ごすのが習慣だった。友達と森戸神社の裏の千貫松という岩場で泳いでいたある日、名島という岩礁のあたりで船がひっくり返り、子ども二人が溺れかけていた。飛び込んで泳ぎつき、女の子を砂浜まで引きずり上げたが、巡査に名前を聞かれるのが恥ずかしく家へ逃げ帰った。その夜、集まった友人たちが口々に、同じ時刻に君がずぶ濡れの女の子の手を引いて葉山の町の通りを歩いていたと言う。身に覚えのないことであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けについてのマジメな話(平野威馬雄・幽霊・怪異体験・昭和)