大道松原の遺念火が暴いた地頭代の罪
どんな伝承か
真和志がまだ一つの間切だった琉球王国のころ、真和志間切の地頭代が娘のマカーと下女のチラーを連れて出かけた道中、上之屋の道ばたに倒れた乞食のような若者がいた。チラーだけが止めるのも聞かず近くの農家へ連れていった。数か月後、越来親方が訪れ、若者は清国留学の帰りに遭難した息子の松金で、チラーを嫁に迎えたいと告げた。面白くない地頭代は、越来の屋敷へ向かう夜道でチラーを辱め、彼女は恥じて自ら命を絶った。迎えに出た松金が大道松原で遺念火を追うと遺体があり、のちにまた遺念火に導かれて地頭代の懺悔を聞いた。地頭代は罪を認めて自決したという。
原典より
里之子が遺念火のあとについて松林のなかに入って行くと、そこにチラーが無残な死体となってたおれていた。—— お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年))
『お化けは生きている――科学にとり残された霊の世界』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した、怪異と心霊をめぐる読み物である。読者から寄せられたお化けの報告や沖縄の刑場・遺念火の話、長崎の宅島夫人の霊視、和漢の古書に見える妖草妖木・狐・天狗・人魂などの物の怪、フォックス家事件やクルックスの実験など欧米の心霊研究を扱う。著者が始めた「お化けを守る会」の由来、西丸震也・星新一との座談会、透視や念力を試すテストを含む全七章に、あとがきを添える。