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手討ちの杉岡正兼の霊か首なし白馬の騎手

所在地山口県岩国市横山
年代寛永七年(1630)以降
登場杉岡四郎左衛門正兼、手討ちにされた御手廻頭
出典岩邑怪談録

どんな伝承か

寛永七年、美濃守広正公が御手廻頭の杉岡四郎左衛門正兼を露地で手討ちにした。正兼は当時勢いの盛んな人であったから、その霊が必ず祟るであろうと人々は大いに恐れた。杉岡屋敷は横山の勢溜りの東、旧御蔵元のあった所で、その東の旧昌明館との間に、馬出しから越の方へ通う小路がある。この小路には暗夜には首のない人が白馬に乗って出るといい、人は皆通行しなかった。また錦見の亮現院観音の山所には正兼の墓があり、この寺の下にも暗夜には必ず首なき人が白馬に乗って出るといって、通る人がなかった。廃藩まで言い伝えられたが、明治の後は絶えて語る者がないという。

原典より

寛永七年、美濃守広正公、御手廻頭杉岡四郎左ヱ門正兼を露地に於て臨御手討なされ、正兼は此時勢力盛なる人にて有しかば、其霊、必祟を成んと、人々大に懼れを成しけり。—— 岩邑怪談録(広瀬喜尚(増補:今田純一/続録・編:藤田葆/付録:静間密/昭和版編集:宮田伊津美)・1976年(昭和51年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

岩邑怪談録(広瀬喜尚(増補:今田純一/続録・編:藤田葆/付録:静間密/昭和版編集:宮田伊津美)・1976年(昭和51年))

『岩邑怪談録』は、岩国藩士広瀬喜尚の怪談録に後人の増補と続録を合わせ、岩国徴古館が昭和五十一年に発行した資料集である。岩国周辺で人々が出会った化物・大坊主・生首・怪火・狐狸・天狗倒し・幽霊などの話を収め、藤田葆が編んだ『岩国沿革志』のうちの二冊を底本に、なるべく原文のまま新字に改めて載せる。広瀬の本録に、今田純一の追加、藤田の続怪談録と実事談・変死、静間密の付録五話を続け、巻末に語注を付す。

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