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押入から手を出して水を求めたおばちゃん

所在地東京都品川区大井
年代引越し後約二週間の一日
登場留守番の長女と三歳の末娘
出典夏の夜の怪談

どんな伝承か

和尚の勤行の後は異変も止んでいたが、引越しから二週間ほど経ったある日、福岡さんが所用で外出し、家には長女と三歳の末娘だけが残った。夕方に帰宅すると、長女が末娘を背負って門辺に立ち尽くしている。聞けばその朝、台所で片付けをしていた長女のもとへ、茶の間で一人遊んでいた末娘が飛んできて、お姉ちゃん、お水頂戴っておばちゃんが押入の中から手を出してよ、と言ったという。長女は洗っていた手を拭う暇もなく妹を抱き取って表へ飛び出し、家人の帰りを待っていたのだった。福岡さんは打ちのめされた思いで仮仏壇を眺めた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

夏の夜の怪談(新天地 1943年6月号・昭和18年(1943年))

昭和18年(1943年)発行の『新天地』6月号に掲載された怪談。福岡県出身の灸点師・福岡さんが東京都大井町の借家に引っ越した初夜、三歳の末娘が廊下に知らない若い婦人がいると泣き叫ぶ。その後も長女と妻が台所やトイレで同じ女性と乳幼児の姿を何度も目撃する。和尚の霊感により、数年前にこの家で貞操問題から夫に妻子ごと殺害された女性の霊であることが判明。家主の秘密の告白で事件の真相が明かされ、寺での供養により幽霊の出現は完全に止む。

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