弟の溺死を繰り返し夢に見た学生
どんな伝承か
著者は、夢の予告に対する非難にも相当の申し訳が立つと述べる。一般の夢は誰にも普及した数の多い日常的なものだが、人の死亡の夢や特殊な事件の夢、印象が強烈で覚醒時も気にかかる夢に限れば、案外その数は少ないからである。したがって夢が事実と一致しても単なる偶然とは言いきれず、内容と事実が細かな点まで一致すればなおさらだという。著者は盛岡高等農林学校の一学生から、四、五年前の中学時代に、二、三回続けて弟がある河の中で溺死する夢を見たので、心配して故郷へ手紙をやったところ、その後その夢と同じ河で同じ事件が起きたという話を聞いた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊学講義(変態心理学講義録)(小熊虎之助(述)・日本変態心理学会・心霊学・変態心理学)
『心霊学講義(変態心理学講義録)』は、文学士小熊虎之助が述べ、日本変態心理学会が講義録として出した心霊学の講義である。精神感応、交霊、透視と未来の予知、心霊物理現象、騒ぐ幽霊などを、英国の心霊研究の調査例や講者が盛岡で確かめた事例を引きながら、詐術や錯誤を見分ける心理学の立場から論じる。全十章で、こっくりさんなどの自働現象の説明に始まり、終章で長尾夫人や三田光一の念写実験を検討し、巻末に内外の参考書解説を付す。