大蛇を慰める竜姫宮の榊流し
どんな伝承か
愛媛県松山市の奥道後にある湧ヶ淵では、昔ここで退治された大蛇の霊を慰めるため、毎年八月二十三日に竜姫宮大祭という供養の祭が開かれている。祭壇に五穀や酒を供え、神官が祝詞を上げたあと、参列者がそろって榊を捧げる。締めくくりには渓流にかかる朱塗りの太鼓橋の上に場を移してもう一度祈禱し、奉納した榊を橋の上から流れへ投げ入れる。榊が途中で引っかかると縁起が悪いとされ、誰もが真剣な面もちで投げるのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。