四鬼の自害を描く鬼骨寺の掛軸と双幅
どんな伝承か
鳴門市北灘町折野の鬼骨寺には、四鬼が自ら命を絶つ場面を描いた掛軸が伝わる。黒・白・赤・緑と体の色の異なる四匹の鬼が、岩窟に掛けた阿弥陀如来の画像の前で、ある者は自分の体に刃を突き立て、ある者は木槌で頭を割ろうとしている。縁起では鬼は谷へ身を投げたはずだが、絵では別の死に方が描かれている。さらに寺には、画工加納黛山が法然上人の讃岐流罪の顛末を描いた巨大な双幅もあり、その自害の場面は喉を貫き血まみれで倒れる四鬼を描いて、掛軸よりはるかに凄惨だという。本堂の奥には、十王像と並んで信徒が寄進した極彩色の四鬼の木像も安置されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。