生前の癖のまま語った水谷浩の霊
どんな伝承か
著者は三島由紀夫のほかにも、田面木のおばばに、死亡した友人の映画美術監督・水谷浩の招霊をしてもらった。降りてきた水谷は、はっきりとその人の生前のくせを現しながらいろいろと話をし、未亡人もびっくりするような秘めごとまで語ったという。このときだけの招霊で断定はできないが、おばばさまは本物だと著者は書いている。こうした生き神さまが青森県下には無数というくらい存在するといわれ、困ったときにイタコにホトケオロシをしてもらい、生き神さまに占ってもらうのは、この県の民俗的な特色であるのかも知れないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私は幽霊を見た(東雅夫(編)・MF文庫ダ・ヴィンチ)
『私は幽霊を見た――現代怪談実話傑作選』は、東雅夫が編んだ怪談実話のアンソロジーで、メディアファクトリーのMF文庫ダ・ヴィンチの一冊である。平山蘆江・火野葦平・佐藤春夫・徳川夢声・遠藤周作・柴田錬三郎から石原慎太郎・新倉イワオ・稲川淳二まで、作家や文化人が自ら見聞きした幽霊や怪異を書いた文章を集める。目次には二十三篇と編者解説が並び、水木しげる・山田野理夫・桝井寿郎の座談「怪談詮議」や中岡俊哉「イタコの謎を追う」の抄録も含む。