臨終の床で見た畑と鉢巻きの子ら
どんな伝承か
昭和五十年頃、吉原に住む九十四歳近い祖母が死の床につき、何度も意識を失った。意識が戻るたびに語ったところでは、そんなはずはないと自分でも思うのに、気づくと畑の上に横たわっていたという。さらに、鉢巻き姿の子供の顔がいくつも重なって見えたとも話した。かまぼこの「カネテッチャン」の広告をテレビで繰り返し見ていたせいではないか、と身内は受け止めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。