深夜の電話から響いた念仏の声
どんな伝承か
神奈川県横浜市での話。深夜に電話があり受話器を取ると、最初は低く唸るような響きで、だんだん高くなり、「南無阿弥陀仏」と地の底から響いてくるような不気味な声が聞こえた。金縛りにあったような状態になり、何となく眠れぬ一夜を過ごした。明け方、再び電話のベルが鳴る。それは、自分を可愛がってくれた母の兄が昨夜死んだという知らせだった。沢木紀子の文で、昭和五十六年の週刊読売に載った投稿。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。