止まった教室の時計と少年の死
どんな伝承か
昭和五十年、松本市の信大病院に入院していた中学三年生のY君が急性白血病で亡くなった。誰からも慕われていた生徒だったという。家族の話によれば、Y君が息を引き取った午前十一時十五分、通っていた学校の教室では時計が突然止まり、Y君の描いた絵の額縁が外れて傾いた。授業中にこの出来事に出くわした担任教師は、はっとY君のことを思い、言葉を失ったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。