父の死の時刻に止まった車
どんな伝承か
昭和四十五年九月二十一日未明、逗子市に住む父が危篤との知らせを受け、家族五人で車に乗り込み逗子へ向かった。ところが大和市あたりの人通りのない路上で車が突然エンストし、エンジンもかからなくなった。近くのガソリンスタンドの人を呼んで調べてもらうと、整備したばかりの車のガソリンが一滴残らずこぼれていた。エンストした時刻は午前五時五十分で、それはちょうど父が息を引き取った時刻と同じだったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。