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そのまま写して返した無筆の手紙

所在地岩手県遠野市
年代現代
登場福田八郎、松谷みよ子
出典現代民話考 ― 軍隊
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どんな伝承か

昔は四年制や六年制の学校で教育を受けたので、兵隊に行った者は字は何とか書けても、文章にすることができなかった。ある家の息子も兵隊に行ったきり何の便りもよこさない。そこで母親の方から「お前、兵隊に行ったんだから、国のためだから、我慢して勤めて来て下さい」と手紙を出した。すると息子は文章が作れないので、その手紙をそのまま写し、宛先と差出人を入れ替えて送り返してきた。母親は大喜びしたが、どこかで読んだ覚えのある文章だと気づく。二年たって帰ってきた息子は、あのころはとても書けなかったが、生きていることだけは分かっただろうと答えた。語り手の親戚に実際にあった話だという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)

松谷みよ子『現代民話考 ― 軍隊』を小話単位で全712話収録。徴兵・新兵・上官・戦地・戦争の残虐・敗戦・収容所・軍隊の怪談など、軍隊と戦争にまつわる兵士たちの現代民話を全国(一部は戦地・海外)から採集し話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明189話・市区町村判明76話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。

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