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馬に蹴られた輜重兵の怨み

所在地栃木県宇都宮市
年代大正十二年
登場新井、山田、軍馬に蹴られて死んだ輜重兵、新井をしごいた輜重兵の軍曹
出典現代民話考 ― 軍隊

どんな伝承か

大正十二年ごろ、輜重輸卒として召集された新井は、輜重兵の山田軍曹に事あるごとにしごかれ、生傷が絶えなかった。軍馬を貨車に積み込む作業で、馬を扱ったことのない新井にはどうしても馬が箱に入ってくれない。怒った山田軍曹は、尻から押し込めとどなった。言われるまま馬の尻を押した新井は、胸を蹴られて血を吐いて死んだが、郷里には名誉の戦死として知らされた。その後、その馬に乗って演習に出た山田軍曹は、馬の前方に血まみれの新井の姿を見て落馬し、死んだという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸)

『現代民話考 ― 軍隊』は、松谷みよ子が編んだ、軍隊と戦争をめぐる現代の民話の集成である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きによって寄せられた話をもとに、十五年戦争を中心に徴兵検査から新兵のしごき、戦地、虐殺や飢え、敗戦、収容所、戦犯、軍隊生活の怪談までを収める。巻頭に序文「明日の民話のために」と論考「軍隊考」を置き、十三の部に分けた各話の末に話者と回答者の名と在住地を記す。

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