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源氏供養を乞う紫式部の霊

所在地滋賀県大津市石山(石山寺)
年代不明
登場紫式部、心霊研究者、幽霊の体験者、現れた亡霊
出典幽霊は語る

どんな伝承か

謡曲『源氏供養』を引いた条。安居院の僧が日ごろ石山の観世音を信じて通っており、その日も参ろうとして道を行くと、紫式部の霊が姿を現した。霊は僧を迎えて、自分は石山に籠って源氏五十四帖を書き流したが、書き上げたその物語のために供養を営まなかったので、いまも妄執の身のまま草むらに浮かばれずにいると訴える。そして、石山で源氏の供養を述べ、自分の跡を弔ってほしいと頼んで、いったん姿を消した。やがて再び現れると僧に舞を所望され、夢のうちの舞を現世に返したいと歌いながら、あでやかに袖を翻して僧をうっとりとさせたという。

原典より

* 傘に留る幽靈* 幽靈に袖を切取れる* 蒼海伯の見た愛兒の靈* 囲はれた室へ妾の幽霊* 姉の幽霊から手紙* 愛人の住所を知らせる* 先の男も吃驚* 乃木大将と深山の美人* 客に縋る娼…—— 幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年))

『幽霊は語る』は、梶天真が編んだ幽霊譚と幽霊論の集成で、昭和十三年に文明社から出た。新聞・雑誌の記事や井上円了・柳田國男・高峰博らの所説、古典の文を出典を添えて引き、葬送の習俗や布哇の霊魂観から説く幽霊思想、幻覚や網膜による説明、乃木大将が見た我が子の幽霊などの実話を集める。三篇に分かれ、第二篇は男女の幽霊・怨霊・生霊・小児の見た幽霊・前知らせなど八項、第三篇は幽霊写真・化物屋敷・霊界通信を扱い、巻末を夕張と筑前の幽霊問答で結ぶ。

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