高橋貞子の錻力罐透視
どんな伝承か
明治四十三年十二月六日の午後、今村力三郎からの小包が高橋夫妻の住まいに届いた。中には封印を幾重にも施した紙包みが三つあり、外から中身をうかがう手立ては全くなかった。その夜七時、夫の宮二と同居の青年二人が立ち会うなか、貞子は三十秒ほどで統一状態に入り、円筒形の包みに手を置くと、白紙が三枚巻かれて一枚ごとに今村の印があること、中から蝋付けのブリキ缶、綿、封筒が出て、白紙に今村の直筆で是空と書かれていることを次々に語った。二つ目の包みも透視して七分で終え、二つを送り返すと、翌晩、二つとも的中したとの電報が届いた。
原典より
外装を除くと、中には三個の紙包に、各々無数の封印を施したものが現はれた。—— 心靈講座(浅野和三郎・心霊研究・講座・1928年(昭和3年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心靈講座(浅野和三郎・心霊研究・講座・1928年(昭和3年))
『心靈講座』は、浅野和三郎が昭和三年に著した心霊研究の講義書である。催眠現象から人間に霊魂が宿ることを説き起こし、欧米の心霊研究の歩みをたどったうえで、物質化・心霊写真・直接談話・卓子浮揚・物品引寄・霊視・霊言・自動書記の各現象を、クルックスやモーゼスらの実験と記録に拠って検討する。第一講から第十講までと結論から成り、結論では心霊研究が人生や信仰に及ぼす影響を論じ、新霊魂説の七大綱領の訳を載せる。