高野山大学に残る福来博士の履歴書
どんな伝承か
東大を辞した福来友吉は大正二年から高野山の宝城院で修業に入り、のちに宣真女学校長を経て高野山大学の教授となった。その足跡を訪ねたいと願っていた田中千代松は、一九七四年三月、ケーブルカーとバスを乗り継いで高野山大学へ向かった。庶務課長の肥田邦道が古い綴込みから福来自筆の履歴書を探し出すと、大正二年十月二十七日に願いにより東京帝国大学助教授を免ぜられたと記されていた。教授ではなく助教授で辞めたという田中の推定は当たっており、年譜の『大阪専心女学校長』は宣真女学校の誤りと分かった。
原典より
肥田氏は、古い綴込みの中から福来博士直筆の履歴書を探し出してくれた。—— 霊の世界 ― 小品集(田中千代松・心霊研究文庫III・1978年(昭和53年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊の世界 ― 小品集(田中千代松・心霊研究文庫III・1978年(昭和53年))
『霊の世界――小品集』は、田中千代松が新聞・雑誌に寄せた心霊研究の随筆や小論に手を加えて集めた心霊研究文庫の第三冊で、はしがきは一九七八年十一月の日付である。SPRの成り立ちや催眠術・超心理学の来歴、クルックスやフラマリオンを論じる文章のほか、土井晩翠・河上肇・福来友吉の挿話、平田篤胤が記した仙童寅吉、秋山真之の霊夢などを収める。「エッセイ種々」「群像」「ものがたり回顧」の三部に分け、多くの篇に初出の誌名と年月を添える。