都倉安五郎殺害事件
どんな伝承か
大正四年、千葉県香取郡入都村神生の農家では飼っていた家鴨を何者かに矢で射られる事件が起きた。続いて五月十六日の夜、隣村山倉村で物品販売業を営む都倉安五郎の家に何者かが物を投げつけ、飼犬が繰り返し吠えた。安五郎は火縄銃を手に外へ出たが、翌朝、山中で何者かに殺害されているのが見つかり、警察は矢の一件との関連を疑いながら捜査を進めた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集・大正~昭和初期(推定))
本書『奇談全集 現代篇』は、田中貢太郎による幕末から昭和初期にかけての日本各地の怪談・奇談を集成した作品である。明治維新期の松木事件から関東の連続殺人鬼事件まで、実地取材に基づく歴史的事件の記録と、民間に伝わる幽霊譚・怪異現象が混在している。特徴は、単なる怪談の創作ではなく、実在の地名・人物・事件を背景に、社会的矛盾や人間の怨恨が生み出す超自然現象を描く点にある。