初七日に納豆をねだりに来た祖母
どんな伝承か
大正十一年の春、早稲田大学に合格した学生・村井は帰省の途中、祖母に頼まれていた納豆を買い忘れたことを気に病んでいた。神戸の自宅で昼寝から目覚めると、祖母がいつものように微笑みながら入ってきて黙って片手を差し出した。詫びると祖母は笑ってそのまま出て行ったが、両親に話すと、祖母はすでに亡くなっており、その日はちょうど初七日であった。
原典より
* 善方寺の符籙 (184)* 箱を背負った女の姿 (186)* 姉の死 (187)* 按摩の阿岩 (189)* 北海道から帰った男 (191)* 艮の金神 (192)* 首切り石段 (194…—— 日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年))
『日本怪談実話』は、田中貢太郎が昭和十三年に著した実話怪談集を河出文庫に収めたものである。明治以降に著者が聞き集めた怪異を報告調の短文で綴り、戦地の霊験や戦死者の知らせ、狐狸・天狗・海坊主、トンネルや自動車に現れる女、幽霊写真、狐狗狸などを扱う。元本は改造社刊の『新怪談集(実話篇)』で、冕言に始まって二百を超える小話を並べ、巻末に川奈まり子の解説を付す。