郡奉行の参籠後に降った猿投神社の雨
どんな伝承か
挙母藩の領内では六月ごろから猿投神社で雨乞いが始まり、七月にはさらに盛んになった。七月二十四日には藩が金谷村の三光寺で二日三夜の雨乞いの祈祷を行い、郡奉行や代官らが参って、町村の役人たちに雨乞い祈祷の御札が配られた。八月二日には郡奉行が自ら猿投神社に籠もって祈ったところ、四日の午後になってついに待ち望んだ雨が降った。代官は、あちこちで太鼓の音が絶え間なく響き、人々の喜びはひととおりではなかったと書き残している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか始まる(田村貞雄・1986年(昭和61年))
『ええじゃないか始まる』は、田村貞雄が一九八六年に著した幕末の民衆運動「ええじゃないか」の研究書である。慶応三年に三河から遠江・駿河へ広がった御札降りの発端を、牟呂村の「二夜三日正月」、御鍬百年祭、吉田宿の助郷騒動、秋葉信仰との関わりから、村方の文書や日記、市町村史の史料をもとに追う。はしがきに続く八章で発端から波及、仕掛人をめぐる諸説、祭の後の「代替わり」までを論じ、主な史料はその原文を別組で示す。