稲沢に残る天降り神仏の記録
どんな伝承か
稲沢市史(六一〇頁)には、山本屋又兵衛の大福帳が転載されており、慶応三年九月十四日から中町・西町・東町・小沢などへ神仏の御札が降臨したことが記されている。同地の下津郷に住んでいた村瀬某という人物の「天降神仏御記録」も今日に伝存するといい、郷土史家堀田喜慶を介してその存在が著者に伝えられた。稲沢市で見つかったこの記録は、津島市周辺の同種の記録と併せて尾張地方全体に広がった慶応三年の天降り現象を裏づける資料となったという。
原典より
慶応三年九月十四日より中町、西町、東町、小沢等へ降臨のことを記し(注)に、下津の村瀬某の「天降神仏御記録」が今日に伝存する、とあります。—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。