トップ > 千葉県の伝承 > 柏市

番小屋でスイカを食べていたツル

所在地千葉県柏市藤ケ谷
年代昭和
登場矢田鶴吉、矢田シマ、染谷平兵衛、芦田万吉、民俗研究者、天幕部落の箕作り・通称ツル、鶴吉の妻、番小屋でツルに出会った藤ヶ谷の住民、鶴吉の弟
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

柏市藤ヶ谷や金山の人びとは、天幕部落の親分はおシマおっかあことシマさんだと思い、乞食たちの稼ぎの上前をはねていると噂した。夫の矢田鶴吉さんは影が薄く、飾りのようなものだと言う人もいた。しかし藤ヶ谷の染谷平兵衛さんには別の体験がある。昭和二十七年か二十八年の夏祭りの夜ふけ、仲間とスイカ畑の番小屋で寝ようと灯りをつけると、中にツルが座って盗んだスイカを食べていた。互いに一言も発せず、やがてツルは黙って出ていったという。矢田家は太白の砂糖や高級なタバコを使うほど裕福で、埼玉の大親分となった弟芦田万吉さんも同じツルの通称で呼ばれた。兄の力が弟の立場を支えたとも考えられる。

原典より

第5章 「ホイト岩」の話非定住民の集合場は珍しくなかった佐貫の観音岩洞窟最後の穴居集団だったか「乞食岩」という地名もある木賃宿は田舎にも多かった第6章 悲劇を伝える二つの小地名—— 村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年)) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

種別から探す

民俗探訪

柏市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『村の奇譚 ― 里の遺風』の伝承