東海寺
どんな伝承か
東海寺は紅龍山松光院といって布施にある寺で、嵯峨天皇の弘仁十四年三月、釈空海の開山になる真言宗豊山派の古刹である。承平年中に平将門の兵火に罹ったが源経基が再興し、その後久しく経て廃頽したものを、天文年間に至って再興し、さらに享保年間に秀調法印が現在の本堂・山門・鐘楼・庫裡を改築した。本尊は聖観世音菩薩で、境内には相馬八十八ヶ所第六十八番の霊場がある。ことに客殿からの眺めがよく、遠く連山を望み、近く筑波の峰を雲煙のうちに眺めれば、利根の白帆が南風をはらんで往来し、相馬の丘陵は屏風を立てたようだという。庭には芭蕉の句を刻んだ碑がある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
相馬伝説集(寺田喜久(狂花)・相馬郷土研究・1922年(大正11年))
『相馬伝説集』は、寺田狂花が著し、大正十一年二月の自序を付した下総相馬地方の伝説集である。北相馬郡の小文間・布川・取手・守谷などを中心に、平将門や一色宮内にまつわる伝承、寺社の縁起、城址や墓碑、相馬霊場の札所を記し、猿島郡・結城郡・東葛飾郡などの伝説にも及ぶ。巻頭に緒言と坂巻湖舟の序・自序を置き、「△」を付けた小項目を土地ごとに並べ、『相馬日記』『下総旧事考』などの記事を引き、相馬の俗信も書き留めている。