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座敷牢のある賢見神社の犬神落とし

所在地徳島県三好市山城町寺野(賢見神社)
年代現代
登場犬神に憑かれた病者と祈禱師
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

三好市山城町の寺野は、標高三、四百メートルの尾根近くに開けた山村で、その村はずれに賢見神社がある。犬神落としに霊験があるとして、北海道や九州からも祈禱を受けに来る人が絶えない。土地の古老は、子どものころ帰りがけに祈禱の様子をのぞくと、畳から五十センチも飛び上がる人がいて驚いたと語り、暴れたり叫んだりする者のために座敷牢がいくつもあると言い添えた。『徳島県の地名』によれば、寺で行う祈禱では病者に御幣を持たせて祭壇の前に座らせ、決めた回数の護摩を焚く。満願の日に体が激しく動いて昏睡し、目覚めて常態に戻れば犬神が抜けたとされる。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

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