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激流を渡り天狗と疑われた男

所在地宮城県栗原市一迫川(湯浜温泉)
年代現代(大雨・大水害の年)
登場西丸震哉、湯浜温泉のオヤジ
出典山とお化けと自然界

どんな伝承か

大雨で増水した川の、渡らなければどうにもならない地点に来ると、橋は川中の大岩から手前半分が跡形もなくなっていた。腰の上まで浸ると足が水に持って行かれ先へ進めない。考えていると、小ぶりの電信柱ほどの流木が流れて来たので、これを岩の上流側の凹みに押しつけ、端にしがみついて押し出て行く徒渉法を思いついた。首から下は水の中となりながら大岩の上に這い上がった。湯ノ倉温泉にもどり服をしぼっていると、湯浜温泉の親父が戻ってきて、じろじろ見まわし、あの川をどうやって渡ったのかと聞く。なんでもないと笑ってみせると、親父は「あそこが人間に渡れるはずがない、天狗様じゃないのかな」と口の中でつぶやいていたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

山とお化けと自然界(西丸震哉・山岳・怪異エッセイ・昭和(戦後))

西丸震哉『山とお化けと自然界』を篇単位で収録。完全装備で岩小屋前を通過する遭難者の幽霊目撃、木曾御岳の人魂たち、カラステングがタコを食う、亡き兄との交信やテレパシー(死者との通信)、幽霊の仮説・怪談といった山岳怪異譚を軸に、呪い殺しの実験・雨やみの術・日蝕と雨やみの術などの呪術、山の昆虫・メスネコの生涯・ヤマネとムササビ・ミミズク等の自然観察、酒・山旅・会津の秘境/栗駒山密林などの紀行随想を収める。

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