ダムの近くで見た黒毛の怪物と足跡
どんな伝承か
広島県の備後落合と島根県の宍道を結ぶ国鉄木次線に油木という小駅があり、山に囲まれた油木部落はそこにある。昭和四十五年七月二十日の午後八時、部落の農業丸崎安孝さんは、知人宅へ物を届けて車で帰る途中、ダムの近くで怪物めいた生き物を一瞬目にとめた。犬や猿よりずっと大きく、人間ほどの背丈で、全身が真っ黒な毛に覆われていた。車を降りてあたりをうかがうと姿はなく、牛とも犬とも違う大きな足跡が残されていたという。これが比婆山の怪獣と呼ばれる一連の目撃の始まりとなった。
原典より
広島県の備後落合駅と島根県の宍道駅をむすぶ国鉄木次線に油木という小さな駅がある。—— 日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年))
『日本の四次元』は、鈴江淳也が昭和四十八年に著した超常現象の取材記である。幽霊の出る家や競馬場、古武士の怨念、守護霊、心霊写真、新幹線の四次元地帯、心霊治療、物品引き寄せ、てのひら療法、比婆山の怪獣やツチノコ、死後も占う易者犬などを、当事者を訪ねて聞いた話として記す。「幽霊と怨念の世界」から「動植物の驚異」まで六部に分け、あとがきで大陸書房刊『日本の奇談』『現代の怪奇』に続く第三弾と述べ、問い合わせ先を挙げる。