ワラビの茂みに後ろ向きで坐る怪物
どんな伝承か
広島県の比婆山一帯で相次いだ、類人猿とも山人ともつかない怪物の目撃のひとつである。昭和四十五年七月に油木の集落で三人が続けざまに怪物と出くわしたあとも目撃はやまず、同じ年の九月三日には、安養寺の住職の妻である田辺光子さんが、ワラビの生い茂った中に茶褐色の毛に覆われた怪物がこちらに背を向けて坐っているのを見つけたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年))
『日本の四次元』は、鈴江淳也が昭和四十八年に著した超常現象の取材記である。幽霊の出る家や競馬場、古武士の怨念、守護霊、心霊写真、新幹線の四次元地帯、心霊治療、物品引き寄せ、てのひら療法、比婆山の怪獣やツチノコ、死後も占う易者犬などを、当事者を訪ねて聞いた話として記す。「幽霊と怨念の世界」から「動植物の驚異」まで六部に分け、あとがきで大陸書房刊『日本の奇談』『現代の怪奇』に続く第三弾と述べ、問い合わせ先を挙げる。