手をかざして消えた頭の腫物
どんな伝承か
大正から昭和にかけて「静心療院」を開いた田村霊祥は、手を当てて病を治す療法を「霊光線」「オーラ」と呼び、講習会を開いて弟子にも施術させた。その記録のひとつ。東京の大塚坂下町に住む女流画家、丹波青亀さんは二十六歳のとき頭に腫物ができた。一つが二つ、三つと増え、悪性なのか熱が出て痛みもひどい。場所が場所だけに髪を落として丸坊主になり、大学病院へ二か月通って塗り薬も飲み薬もラジウム治療も試したが、悪くなる一方だった。評判を聞いて田村のもとを訪ねると、日を追って膿が止まり、十回の治療で治ってしまう。髪も伸びて、また絵が描けるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年))
『日本の四次元』は、鈴江淳也が昭和四十八年に著した超常現象の取材記である。幽霊の出る家や競馬場、古武士の怨念、守護霊、心霊写真、新幹線の四次元地帯、心霊治療、物品引き寄せ、てのひら療法、比婆山の怪獣やツチノコ、死後も占う易者犬などを、当事者を訪ねて聞いた話として記す。「幽霊と怨念の世界」から「動植物の驚異」まで六部に分け、あとがきで大陸書房刊『日本の奇談』『現代の怪奇』に続く第三弾と述べ、問い合わせ先を挙げる。